糺の森のアルキオーネ

ただすの もりの あるきおーね

⒍ 2009年9月9日⑤

マンションの9階の窓から 空を眺めている 肉体の自分と

空いっぱいに広がってしまったかのような 意識の自分との

不可思議な 二重性を感じながら

 


大きく広がった方の自分は
まるで 自らの内に 台風を吸収してしまったかのような
体感と 驚きに満ちていた。

 


台風が身のうちにある、と言っても
決して 荒れ狂う感じでも 恐ろしい感じでも
なんでもないのだ。

 


それは、ある意味 とても爽やかで氣持ちよくて……
とてもとても大きな自然のダイナモのような
大きな浄化装置のような……

 


それを感じ取っている私の視点は
氣づくと 宇宙からのもので
まるで 気象衛星よりも遠くから
地球を含めた 鮮やかな青と白と漆黒
太陽の光を反射しつつ輝く美しい
海と台風を見下ろしている。

 

 


ほんとに きもちいい…………
しかもいきいきした
いのちのエネルギーにみちて………

 

 

あっ、これわたしだ!

わたしがこれなんだ。

見える全部

これ全部わたしなんだわ!

特に台風!!

これ わたしじゃん!!!

 

 

ふいに氣づいた。

 


すべてがわたしだけど
私は 特に台風!
台風のような特質が強く出てるんだと、
そう強く思った。

 


思えば、この 激しい性格…
自分はただ 良かれと思って
思ったとおりしているだけなんだけれど
わがままで 人を振り回してしまう
通った跡が まるで爆心地のような…

 


そんな自分が嫌いだった
悲しかった
どうして
一生懸命やっているだけなのに
いつもこんな風になってしまうんだろう。

 

 


私は 台風だったんだ。

 

 


人間たちは 怖れて忌み嫌うかもしれないけれど
台風は 自然現象で
ただ 台風であるだけで
何も それ自体が
悪いものでも 恐ろしいものでもない。

 


大量の雨を齎し(もたらし)
大氣を攪拌(かくはん)し
ある時は川を氾濫(はんらん)させ
木を薙ぎ倒す(なぎたおす)
そして

 

通り過ぎた後には
澄み渡った空と大地がある。

 

 

欠くべからざるもの。
地球という いのちのシステムの中に
ただあるもの。

 

 

 

私は 台風だったんだ。

ただ そうであるだけだったんだ。

 


そして それって こんなに
命のエネルギーと
愛(天意)に
満ちたものだったんだ……。